比較社会学ゼミナール / Comparative Sociology Seminar


◎担当者:尾中文哉 facilitator
Fumiya Onaka Dr.
(Sociology)


◎目的と方法goals and methods

 本演習では、比較社会学を共通の方法論としながら、各参加者が「テーマ」と「地域」について選び、調べ、発表し、話し合い、「論文」を書く中で、〈いまここ〉を楽しみながら〈未来〉〈彼方〉を創造していくための技法(art)を、〈自我〉への省察や仲間との〈関係〉の中で身に着けることを目標としています。ポストコロナ時代においても、また、そういう時期にこそ、有効な行き方と考えています。具体的にいえば、〈対面〉と〈遠隔〉の諸技法およびその組み合わせにより、高い水準のゼミ活動ができています。 「比較社会学」とは、自分にとって特別な思い入れのあることがらを、異なる社会へ、異なる時代へとたずね歩くことにより、現代社会のさまざまな〈流れ〉を描き出そうとする方法です。僕は、そのためには日本を離れた視点をもつことが必要と考えていて、どこかの外国とかかわらせてテーマを決めてもらっています。それは、東北アジア・東南アジア・北米・西欧などさまざまな範囲から選ぶことができますが、もっともたいせつなのは、それが自分をひきつけるなにかをもった場所かどうか、ということでしょう。 そればかりでなく、取り扱う「テーマ」が、自分にとってかけがえのないものであるかどうかも、とてもたいせつです。卒業生・ゼミ生の対象地域・テーマはゼミ・ホームページ( メンバー[左の枠からも飛べます])のところに掲載してあります


◎授業計画schedules

  ゼミのおおまかな進め方はつぎのとおりです。まず、三年前期には、フィールドワーク(社会調査)の仕方や比較社会学の枠組みについてフィールドワーク練習や個別の活動を通して学びながら、各自の関心があることを探しはじめ、とりあえずの計画をたててみます。三年後期には、集めた情報の整理法やプレゼンテーションの技法を学んだ後、夏休みに行った情報収集にもとづいてみんなの前で発表をし、ゼミ論をまとめます。その後発表テーマに関する文献の読み込みに入ります。四年生では、他者を説得することのできる文章の書き方を学びながら、三年の時の調査の成果と文献研究の成果をまとめそれぞれ「卒業論文」へと仕上げていく作業が中心になります。毎年の冬に、四年生の卒論発表会、三年生のゼミ論発表会をかねた、共同イベント(昨年とコロナ前はゼミ合宿、コロナ中は三四年合同発表会)を行っています。それらも含め、イベントが多めのゼミになっています。また、学部授業と同様にアートに基づく探究(Art-based Study)の要素を随所に取り入れているつもりです。 
  フィールドワーク(社会調査)の形としては、可能であれば日本国内や外国に出かけて、難しければ日本や外国のつてを使って遠隔で、など様々な形で行っています。どのような形を採るかは各自の自由にまかされていますが、できるだけ協力し合えるような体制をとっています。その中では、ゼミ担当者はもちろんゼミ仲間も協力しあう面倒見のよいゼミとなっています。そこでの経験は、ただ卒業のためだけではなく、今の社会に分け入っていくうえで、とても有益なものとなるはずです。 
僕は、「シューカツ」というものもフィールドワーク(社会調査)に似た側面をもち、上のような経験は、自分の一生の仕事を探すという〈流れ〉においてもきわめて有効なものと考えています。現実にはさまざまな困難がありますが、それを逆に味方につけられる知性と感性をはぐくんでいけるようにしたいと思っています。
  第三者による紹介としては、「21世紀の大学 国際ゼミガイド32回 日本女子大学 尾中文哉ゼミ」(時事通信社『世界週報』2004年2月24日号66-67頁)や「大学ゼミ訪問第75回、日本女子大学人間社会学部現代社会学科 尾中文哉ゼミ(比較社会学)」(『外交フォーラム』March 2005 No.200 200号特別記念号、1-2頁)があります。この雑誌は図書館や研究室にありますので、必要なら参考にしてください。


◎開講予定時間帯schedules

 今年度は、演習Tが水曜二限、演習Uが水曜三限です。


◎受講生への要望requirements

 外国について調べることは、遠隔の様々な技法が使えるようになったとはいっても、やさしいことではありません。ある土地の人々について資料を集め、「わかった」と思えるようになるまでには、何度も失敗を繰り返すことになってしまいます。けれども自分のテーマ、好きな土地をみつけていれば、それがかえって「楽しい」と思えるから不思議です。そういうかけがえのない出会いがあるように、どんどん新しいことに挑戦していってもらいたいと思っています。


 メールやTeamsチャットでアポイントをとってのビデオ通話、音声通話で質問してくれてもかまいませんし、月曜日の2限10:50-12:30のオフィスアワーに研究室120年館3F現代社会学科研究室11に訪ねてきてくれてもいいです。